一番くじ ガンダムシリーズ M.S.Conclusion Vol.1 A賞 M.S.Conclusion 001 RX-93νガンダム NAOKI氏(メカデザイナー・モデラー)インタビュー

NAOKI氏は人気モデラーであると同時に、メカデザインやグラフィックデザインまでこなす気鋭のクリエイターである。
メカデザインとモデラーとしてのスキルを活かしたプロデューサーとしても評価が高く、NAOKI氏ならではの意匠を凝らしたデザインが人気だ。
今回は「A賞 M.S.Conclusion 001 RX-93νガンダム」について、原型制作時のエピソードなどを語っていただいた。

「究極のディスプレイモデル」は
「格好いいモデルを格好いい立ちポーズで飾って愛でる」のに最適

「究極のディスプレイモデル」というコンセプトは、「格好いいモデルを格好いい立ちポーズで飾って愛でる」という点で高く評価しています。
もちろん、最近のプラモデルや完成品トイなどは「どれだけ可動するか」が購入理由の重要なファクターとなっています。
ですが、ある程度の大人はプラモデルを完成させても、最終的には動かして遊ぶよりも、格好いい立ちポーズで飾っておく人が多いと思うのです。
たとえば、自分たちの世代が経験してきたプラモデルより上級者向けのガレージキットは形状やディテールを優先するため、ほとんどの商品がポーズ固定モデルです。
可動モデルの場合は、可動を考慮して微妙にプロポーションや、パーツの取り付け位置に影響を及ぼすケースがありますが、今回のモデルは立ちポーズに絞って商品用原型の設計担当の方と調整できたことで、クオリティの高いディスプレイモデルに仕上がったと思います。

νガンダムはシンプルであるが故に
何度でもチャレンジしてみたくなる機体

νガンダムについては、小学生でファーストガンダムを体験し、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」をリアルタイムに観た世代ですので、アムロとシャアの対決に終止符を打った機体として思い入れは深いです。
デザイン的には、「機動戦士ガンダムZZ」まででモビルスーツのデザインが複雑化していましたので、逆にシンプルゆえの高性能感を持つ特別な機体だという印象を受けました。
モデラーとしては、過去に発売されたνガンダムのすべてのグレードで作例を担当させていただいています。シンプルであるが故に色々なアプローチが出来るので、何度でもチャレンジしてみたくなる機体でもあります。

模型誌のディレクション経験を活かした、
「立ちポーズ」のバランス感

プロポーションは、あまり奇をてらわず、「立ちポーズのときに最も格好よく見えるバランス感」を大事にし、雛形原型を制作しました。
格好いい立ちポーズについては、私がプロデュースしている模型誌「ガンダムホビーライフ」(発行:KADOKAWA/編集:ホビーWEB編集部)での、作例写真のディレクション経験を活かしています。

今回は、変にキャラクター性を持たせず、機械としてのストイックな立ちポーズを目指しました。ですが、静の状態でありながら、いつでも次の動作に移れるようなポーズになるよう、四肢の取り付け位置やタイミングにはこだわりました。
なお、今回のνガンダムは最終的には完全にポーズを固定していません。ある程度調整が効くようポイントを絞って若干の可動を残すことで、格好いい立ちポーズを取らせるための微調整ができるようにしているのです。

カラーリングは「同一色の中での塗り分け」で面の情報量を増やす

カラーリングとしては、本商品はスミ入れをしないため、「同一色の中での塗り分け」で面の情報量を増やす手法を採用してもらっています。
この手法は、お台場にある実物大のガンダムの登場あたりから模型シーンに於いてもスタンダードに使われるようになったと思います。
ですが、やりすぎるとツギハギのようにも見えてしまうし、形状そのものにも影響を及ぼしてしまうため、全体の印象が崩れないよう留意して色指定をしています。
各部に印刷されているコーションマーク(注意書きのマーキング)に関しては、私が模型を製作する時に使用しているデータを一部提供しました。
綿密なデータなのですが、タンポ印刷で綺麗で効果的に仕上がったと思います。

ラストワン賞のカラーリングは、
濃紺部分だけマットな色にしてメリハリをつけた

A賞(左)とラストワン賞(右)

ラストワン賞は、オリジナルカラーと少し違い、パールやメタリックを使用したスペシャル感のあるカラーとなっています。
ですが、全ての色をギラギラにしてしまうとメリハリがなくなりますので、「濃紺部分だけはマットな色にして、メリハリをつけてはどうか?」という提案をさせていただきました。
結果として、パールやメタリックを使用しながらも落ち着いた雰囲気のモデルに仕上がっていると思います。

νガンダムファンの皆様へのメッセージ

今回のνガンダムは、格好よく立たせて飾っておくモデルとして、同サイズのプラモデルやアクションフィギュアに負けないクオリティになったと思います。
ですが、細かい事は気にせず「お!かっこいいνガンダム!」と思って、気軽に楽しんでいただければ幸いです。
そして、幸運にも手に入れることができたら、お手持ちのνガンダムコレクションに加えていただければと思います。